最近不動産市場に関する二つの記事が日経新聞に掲載されました。これらを目にしておや?と思われた方は多いはず。一見すると矛盾すると思えるような記事なのです。この記事を深く読んでいくと見えてくる不動産市場の今と未来を考えてみます。

2/10の日経新聞記事

こちらで書かれていることは不動産向けの貸し出しが過去最大になっているという記事です。

不動産融資最高 12兆円 16年15%増、節税アパートなどで活況

日銀は9日、全国の銀行による2016年の不動産業向け新規貸出額が前年比15.2%増の12兆2806億円になったと発表した。年間としては過去最高だった。全体の新規貸出額は10.4%増の48兆3988億円で、不動産向けが4分の1を占めた。

2/15の日経新聞記事

反対にこちらでは国内不動産投資金額は昨年比20%減少したという記事です。

国内不動産投資、20%減の2兆9360億円 16年民間まとめ

不動産サービス大手、CBRE(東京・千代田)が15日まとめた2016年の国内不動産投資額は2兆9360億円と前年と比べて20%減った。2年連続で前年を下回った。主な投資対象となっているオフィスビルは東京都心部を中心として売却物件が少なかった。オフィスビルの投資額は1兆1950億円と29%減った。取得金額が500億円を越える取引が1件にとどまった。売却物件が少ないうえ、売却しようとする価格が割高で、買い控えの動きが目立った。

 

この二つの記事はなんとなく矛盾しているように感じる読者が多いかもしれませんが、実は矛盾はしていません。不動産市場でありながら違う側面から見ているためです。

2/10の記事、なぜ貸し出しが増えたのか?

それではなぜ不動産業に対しての貸し付けが過去最高になったのか。それは、大型のファンド系不動産会社が扱う商品が様子見等による取引が停滞したものの、不動産業全体的にはまだ銀行が期待をしている状況だと考えます。今までは超一等地や強固な構造だと思われる物件にたいして偏った融資をしてきた銀行が、徐々に広い範囲、様々な不動産にたいして融資を行い、資金が流通し始めたことで、不動産業への融資が増えている要因だと思われます。

その資金を活用し、不動産業者はマンションの開発、分譲、戸建ての開発、中古の流動を行い、そこにユーザー需要がついてくることで相場の底上げが図られる構造です。

2/15の記事、なぜ投資金額は減ったのか?

CBREは主に都心や、地方の主要都市にある大型事業系不動産の流動化を行うビジネスモデルで、案件を仕入れデューデリジェンスを行い売却や保有をする企業です

主要都市での売却案件がない現象は保有している側が、相場の高騰を受けさらに高値で売れることを期待し売り控えをしていることと、市場に出てくるとしても完全な売り手主導の価格設定をしているということにより、利益幅が薄くなり、流動性が低下し取引が減ったことを意味すると思います。

矛盾していない理由は2つあります

  1. 都心から地方へ
  2. 新築から中古へ

今後の動向としては、一極集中からその周りのエリアに対して、新築、築浅から古い物件への評価の見直しが起こると想定されます。それは銀行の資金流動性を考えると、そうなる可能性が高く、今回のこの2つの記事はその象徴に感じるからです。

特に収益物件の取得を考えている個人は、緩やかとはいえ変動する不動産市場の中で、状況に合わせた取得の戦略を意識することが重要です。親しい投資家や不動産会社と日ごろから意見交換をしておくと良いでしょう。

不動産投資に興味をお持ちの方はこちらの記事をぜひ参考にしてください。不動産投資会社社長の本音。バブルが始まる前に不動産投資を始めてみませんか?