投資不動産会社社長です。7月に入り銀座の路線化が急上昇した結果バブル期の価格を大幅に超えたというニュースが巷をにぎわしました。バブルを警戒するような報道が多かったような気がします。
国税庁発表内容
2017年7月3日に国税庁が発表した2017年分の路線価(1月1日時点)によると、日本一地価が高い場所として有名な東京都中央区銀座5丁目の「鳩居堂」前は1平方メートル当たりの地価は4032万円となり、過去最高だったバブル期(1992年)の3650万円を大きく上回りました。
全国平均も前年比で0.4%のプラス、2年連続の上昇となった。東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発や訪日外国人旅行客の増加による消費の高まりが背景にあるとみられています。
銀座が高いのは金融機関の存在が大きい
銀座がバブル期を超え東京がバブルに突入したかどうかについてですが、正直なところ私たちにはわかりません。バブル=実態なき相場高騰を指すと思います。いろんな評論家がおりますが、相場のボトムとトップを毎回正確に把握している人はいません。もしそういう人の予想があたるとしたら、あてずっぽうもしくは結果論だと思います。
日ごろから不動産に関わっている私の実感ですが、住宅系の実需は高騰してると思います。理由としては、買い手側が収益の根拠などを気にせず、欲しい=取得の実行をしているからです。この取得のパターンとしては、ゴッホの絵に何億も払う、ビンテージデニムが100万以上で取引されるよ要素と似ています。そこに金融機関が資金を提供している状況だからです。住宅ローンは、今も遠慮なく融資されています。
例えば、融資の比較としてわかりやすいのは、
旧耐震の実需マンションなら満額35年融資。同じ旧耐震の収益マンションなら、15年以下しか出ません。
融資条件を比べてみてもわかる通り、同じ構造の建物でも、実需か収益で差が開きます。この状況が現在の土地価格の上昇に大きく影響しているのではないでしょうか。
東京はバブルなのか?
今後の銀座などの中心地はオフィス系不動産が相場を牽引すると思われます。
以下の表を見てください。中央区、港区、千代田区などの都心エリア、横浜、名古屋、大阪などの中心地は賃料が空室率の変動で、家賃が乱高下します。
2007年以降のオフィス空室率
2007年以降のオフィス成約賃料
2012年以降、オフィス空室率
2012年以降のオフィス賃料
※グラフ出典:CBREホームページより
空室率が下がると賃料が上昇します。グラフはその二つの連動性を示しています。よって空室率がさらに改善すると賃料もさらに上がります。
今までの賃料が例えば坪5万で成約していたものが、これからの成約賃料が7.5万で決まると販売価格は同じ利回りでも1.5倍で売却できます。融資の金利はこれ以上下がらないため、利回りはこれ以上高くなりにくいですが、オフィスの賃料はまだ上がる可能性があります。中心地は商業エリアの為、他のエリアに比べオフィス率が高いといえます。私の持論では、少なくとも今後20%程度はオフィス全体の賃料が改善するとしたら、売買価格もそれに連動し高くなると思います。(これは自論です)
銀座などはオフィス価格に相場が左右されるため、現在の市場がバブル化していて高くなりすぎているとするのは、根拠が示せないのでわかりませんと回答しました。現段階では賃料上昇に従い売買価格が上昇しているので東京の不動産はバブルではないと私は考えています。
ちなみに、オフィスの需要の根拠も100万円のデニムを買う感覚に近い需要が多く含まれています。
大企業は利便性や、安全性を考慮し、オフィスを選定しますが、中小企業は、100万円のデニムや数億のゴッホを買う心理に近い感性でオフィスを選択する企業も多いです。景気動向が良ければ、オフィス賃料に適正価格は存在しないと感じるときがあります。
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